占星術の本
「ルーアンの占星術師 1837年用」と題された書籍です。と言うことは、その前年、1836年にフランス北部の都市ルーアンで出版されたのでしょう。ペーパーバックの粗末な装丁の小さな本ですが、なかなかよい雰囲気の図版がたくさん入っています。
中を見てみると「園芸」から始まり、1837年の天体の蝕にふれられています。それによるとこの年は4月5日に日蝕があるようですね。さらに進むと、お約束の「1837年 神のお恵みを得るための時々の予言」が出てきます。これは1837年の黄道十二宮それぞれの時期の運勢のようなものらしく、今更知っても随分遅いのですが、さて当時は予言の通りになったのでしょうか。後ろの方には「権力者」の章もあり、時の国王ルイ・フィリップ1世の肖像が載っています。
つまりは占星術を基にした当時の一種の年鑑、便利帳のようなものだったのでしょうか。それで毎年買わなければならない事情もあり、このような簡易な装丁なのでしょう。しかし、中身はどうして、大変な力の入れようで、占星術と当時の人々の暮らしの密着振りが伺える大変興味深い書籍です。
サイズは約7×10センチ、厚さは約2センチです。
一度表紙が取れたものを糸で綴じ直したようで、ページの端に読みにくい部分はありますが、最後の"FIN"のページまでありますので落丁はないようです。
200年近く前に実際に活用されたもののようで、折れや反り、破れやしみなどはありますが文章は概ね読むことが出来ます。
古いフランス語ですが、翻訳ツールもある程度使えると思いますので、お暇なときに時空を超えて旅に出てみてはいかがでしょう。
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