携帯用顕微鏡
19世紀の携帯用顕微鏡です。ミクロの世界も遠い天空の様子も18世紀には専門の研究者達にはわかっていたのですが、それが一般の人達の手の届くところに姿を表すのが19世紀でした。それは当時の人たちに衝撃を与え、その世界観に大きな影響を与えたことでしょう。裕福な人々は図版や標本を集めたり、このようなシンプルな造りの顕微鏡を手に入れて野山に出かけ、自らもプレパラート標本を製作したのです。
こちらのお品は実際によく使われたようで、本体の真鍮は表面が擦れ、ケースもひびが入ったものを修復した跡があります。当時の素人博物学者の、雑多な戦利品に埋もれた部屋が思い浮かぶようです。
今回はこの顕微鏡と同時代に製作された「カスミカメムシの産卵管」のプレパラートをおつけします。こちらはプロの手によるもので、顕微鏡と一緒に販売されていたもののようです。
19世紀、イギリス製。ドラム式と呼ばれ、対物、接眼レンズを両端につけた筒を上下にずらしてピントを合わせる簡単な仕組みです。下の反射鏡から十分な光を入れないとよく見えません。
サイズは筒を一番短くした状態で高さが約18.6センチです。
古いものですのでレンズ、反射鏡に汚れがあります。本体表面など全体に傷み、汚れがあります。
ケースはひび、割れ、傷、汚れがあり、修復の跡があります。
また、プレパラート本体および試料にも汚れ、傷みがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。