こちらのメダイは聖母マリアの横顔と、ルルドの洞窟でベルナデッタがマリア様と出会う場面が表裏に浮き彫りにされています。
19世紀中頃のフランス、少女ベルナデッタは彼女の地元ルルドの洞窟で貴婦人と出会います。その後、いくつかの奇跡が起こり、キリスト教会はそれをマリア様出現の奇跡と認め、ルルドはとても大切な巡礼の地となりました。その地にお姿を現されたマリア様は「ルルドの聖母」と呼ばれています。
メダイに合わせたカードも少女ベルナデッタがルルドの聖母と会う場面が描かれています。実はこちらはデスカードで、1899年5月7日に生まれ、翌1900年2月25日に亡くなった女児のものなのです。1歳の誕生日を迎えることもなく亡くなった我が子を思い、聖母の奇跡にでもすがるしかなかった両親の思いが伝わってくるようです。そのような経緯もあってか、デスカードとしては珍しい絵柄になっています。

メダイもカードと同時代のものと思われ、どちらもフランス製です。サイズはメダイが約1×1.5センチ、チェーンは現行品で長さが約43センチで、カードは約7.5×11.5センチです。
どちらも古いものですので傷や汚れがあります。