このハートのペンダントは元々"Ex Voto"と申しまして、教会などで願をかけ、そのお願い事がかなった時に奉納するものなのです。教会内部の壁などに打ち付けてあるのを見ることがあります。そのEx Votoもどのような運命を辿ったものか長い年月を経て、巡り巡って私どものもとへとやってまいります。
そのような次第で、願いを聞き届けていただいたお礼であり、私たちもその幸せにあやかろうという縁起のよいお品と言えましょう。
奉納するお品なので素材のホールマークはないことが多く、製作年も詳細ははっきりしませんが、銀メッキで100年ほど前のアメリカ合衆国製と思われます。
合わせたカードはイエス・キリスト生誕の絵柄で、銅版に手彩色と手の込んだものです。イエス、聖母マリア、聖ヨセフとも、そのお顔にまで細かく紅をさして立体感があり、当時の素晴らしい手彩の技術が窺えます。裏面に"souvenir"「記念」との言葉と1866と思われる手書きの記載があり、ひょっとしたら1866年のクリスマスにどこかにお参りした時に購入したか、誰かと交換したカードなのかも知れません。

サイズは、Ex Votoが約3×4.5センチ、チェーンは現行品で、長さが約42センチです。カードは約7×10.7センチです。
どちらも古いものですので傷、汚れがあり、カードのレース状の部分には切れがあります。