魔力のある鏡は人の本当の姿を映し出すと言います。瞳にもその人の本当の心が現れると言います。人の本当の姿、本当の心とはどのような姿、形をしているのでしょう。邪悪な、清らかな、醜悪な、美しいなどなど。実はそのようにきっぱりと割り切れるものではなく、一言ではとても言い表わせない、どろどろとした姿ではないかと思うのです。
この義眼は濃く美しい青を背景に、白い光彩の線が不規則にうねっています。黒目は宙に浮き、その下からはうっすらと葡萄酒色の濁りを帯びたものがどろりと湧き出しています。人それぞれに、心に鎧をまとって生きている中で、秘めた心の奥底をちらりと垣間見るようです。しかし、それらを包む氷晶ガラスは十分な光を含んで澄み切り、全てを露わにすると同時に全てを浄化する力を持っているかのようです。
初見はとても美しい青の義眼の中に、それだけでは終わらないものが潜んでいます。

ドイツ製、製作は19世紀末から20世紀初頭です。弊店のオリジナルシールを貼った紙箱に入れてお届けします。箱は一辺約4センチですので、サイズの目安にしてください。