貝殻入りの宝石箱
19世紀、フランスのクリスタルガラスの宝石箱です。このお品は左右の側面が外側に突き出すような凝った造形になっています。真鍮の枠は古色を帯び、シルクのクッションも長い時を経て繊維が姿を現し始めております。この往時をしのばせ、今や朽ちんとする雰囲気は、時の流れだけが創り出せるものです。
この宝石箱のクッションの美しい色味とぴったりの貝が手元にありましたので合わせました。こちらは昨年、フィリピンで採取されたものですが、もし19世紀ならば大変珍しく、それを手に入れたお金持ちは早速、宝石箱に飾り、自らの驚異の部屋で自慢したかも知れません。当時の富裕な好事家たちは異国の珍奇なものを競って集め、蒐集品を自宅に展示してヴンダーカンマー(驚異の部屋)と呼んだのです。古い宝石箱と標本を合わせて、当時のアイテムを再現してみました。
宝石箱は19世紀、フランス製。サイズは、横幅の最大が約9センチ、奥行きが約6センチ、高さが約7センチです。
古いものですので、クリスタルガラスに欠けや傷が、全体に汚れが、枠に若干の歪みがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。