逢魔が時の義眼
逢魔が時とは「誰そ、彼」の時、すなわち黄昏時です。あたりが薄暗くなる頃、風景は昼間とはガラリと見え方を変え、ひと時、人の流れがぴたりと止み、道の向こうから誰かがやって来ます。そのものがあなたに「もおし」と声をかけたらそれはこの世のものではありません。この世のものは「もしもし」と声をかけるのです。
この義眼は、見えそうで見えない、怪しくもどこか懐かしい世界へとあなたを導く扉なのかもしれません。
黒目はあなたに何かを語りかけるように、前方にあります。そこから、赤みと黄みを帯びて濁った茶色が流れ出し、その外側に薄濁りの水色を背景に糸が放射状に拡がり、外縁はわずかに菫色を帯びた薄青とも薄紫とも言えるような美しくも不思議な色味になっています。陰りを帯びた陽の最後の光が薄闇へと吸い込まれる。まさに、曰く言い難い、逢魔が時に漂う闇の色なのでしょう。
まだ少し光が残っています。その光に魅かれてとんでもない場所に行ってしまわぬようご用心をなさいませ。
ドイツ製、製作は19世紀末から20世紀初頭です。今回は弊店のオリジナルシールを貼った紙箱に入れてお届けします。そのため、品物はこれまでと同様のものですが、お値段をお引きしてあります。箱は一辺約4センチですので、サイズの目安にしてください。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。