聖マルグリットのデスカード
17世紀に生きた修道女「聖マルグリット・マリー・アラコク」の前にイエス様が現れる場面を描いたデスカードです。25歳で修道女となったマルグリットが、1673年12月27日、修道院の聖堂で祈っていると、その前にイエスが現れ、自分の心臓を見せてマルグリットを「聖なる御心の愛しき弟子」と呼んだのです。それが「イエスの聖心」の啓示の始まりでした。このカードはその時を描いたものでしょう。
イエスを見つめるマルグリット、慈愛に溢れるイエス、二人を見守る天使たちのぼうっと浮かぶ淡い表現も見事です。
1908年、フランス製。サイズは約7×10.8センチです。
古いものですので、傷みや汚れがあります。
✴︎デスカードについて✴︎
デスカードは亡くなった方のお葬式などで配られるカードで、裏にはその人の名前や生年月日、どのような人柄であったのかの説明、それとお祈りの言葉などが書かれています。意匠も様々で、静謐で厳かで美しいものです。
時々古い聖書に挟まっていますが、これはお葬式の時に記念に配られ、それを聖書に挟んだままにしておき、時々見返して故人を偲ぶ為だと思われます。
デスカードの絵を描いた作者は高名な画家では無いかもしれませんが、どれも美しく工夫が凝らされています。時には稚拙な画力のカードもありますが、悲しみを救いに昇華する為に描かれた絵にはやはり力があると思います。ささやかながら死者の冥福を祈り、生者の慰めを助け、いずれは誰もが逝く時の心の支えになるのでしょう。死を優しく受け入れようとする素敵な文化ではないでしょうか。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。