乳白色の瑪瑙に手紙をくわえて飛ぶ鳩が彫られています。周囲にはイタリア語と思われる "Secondate aurette amiche" という文があります。これは解読しきれませんでしたが、想像も交えて申し上げると「そよ風のごとく友のもとへ」、少なくとも「友のもとへ」というような意味ではないかと思います。真っ直ぐに目的の場所を目指す鳩は小さいですが生き生きと描かれ、半透明の瑪瑙の上で、未だ凛とした姿です。

持ち手は、19世紀初頭、ヴィクトリア朝以前のジョージアンの古い様式で、金メッキよりもずっと層が厚い金張りです。細工も大変細かく、長い年月を経た磨耗の具合も古色を帯びたよい質感になっています。

1820年代、イギリス製。サイズは約1.4×1.2センチ、持ち手の高さが約2.3センチです。
古いものですので、若干の傷、汚れがありますが、時代の割りには大変よい状態です。