モルフォ蝶入りの宝石箱
古いフランスの宝石箱にモルフォ蝶の標本を入れてみました。蓋と四方が厚いクリスタルガラス、クッションはシルクがほつれ、繊維の間から自然に中綿が見えています。時の流れに全てを任せたような、少し退廃的な雰囲気が漂い、手作業での細工と思われる金属部分も古色を帯び、これこそ長い時間の流れが生み出す質感と言えましょう。
本来は宝石などを飾るケースなのですが、そこに美しいモルフォ蝶を納めました。この蝶の羽根は青い光だけを反射する構造になっており、羽根そのものが青く染まっているわけではないので、光の具合によって輝く青から光沢が次第に紫がかり、くすんだ紺色まで変化し、羽根の模様も浮かび上がったり沈み込んだりと本当に様々な表情を見せます。そのようなモルフォ蝶のために、この古いクリスタルガラスの宝石箱を博物展示のアイテムとしてご提案します。
かつて栄華を極めた貴族が、自ら作った驚異の部屋で、異国の珍奇で謎めいたモルフォ蝶を手持ちの宝石箱に納めた。ふとそんな架空の物語を思い浮かべたりしそうです。
蝶の標本はクッションにピンで留まっているだけなので、配送の途中でずれたり傾いたりする可能性があります。その際は、ケースの蓋を開けて、ピンを持って調整をお願いいたします。
宝石箱は19世紀から20世紀初頭のフランス製。サイズは約11.5センチ四方とこのタイプの宝石箱の中でも大きく見事なお品です。高さが約8.5センチです。
古いものですので、歪みやがたつき、傷みや汚れがあります。
モルフォ蝶の標本は採取年など詳細は不明ですが、現行品ではありません。そのため胴体の一部がとれ、羽根にも若干の劣化が見られますが、古い宝石箱と違和感のない古色とご理解ください。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。