真珠貝のオペラグラス(小)
19世紀末のオペラグラスはいかがでしょう。革のケースを開けると内張りは青で、その中から真珠貝で飾られたオペラグラスが出て来ます。とても華やかで艶やかで、優雅な観劇の様子が浮かんできます。真珠貝は時を経て飴色がかり、しかし、真珠貝特有の虹色の光沢は失ってはいません。真鍮部分の古色を帯びた鈍い光沢や、一部黒く塗られた箇所のはげ具合も含めてよい風合いです。
オペラグラスのケースは持ち歩いたために損傷が激しいことが多く、このお品も表面に擦れや傷があり、内張には対物レンズの縁の跡が丸くついていますが、蝶番、口金などは健在で、時代の割りにはよい状態です。
さほど倍率は高くありませんが、小鳥などはよく見えます。現代の大きなコンサートホールではあまり役に立ちそうにありませんが、当時のオペラを桟敷席から見る分には十分だったのでしょうね。世紀末、この愛らしいオペラグラスはどんな貴婦人とどんな舞台を見て来たのでしょうね。
19世紀末、フランス、パリ製。サイズは、本体が最も縮めた状態で約5×9.4センチ、9.4センチは本体の最大幅です。
古いものですのでレンズに若干の汚れがあります。
ふたつの接眼レンズの間のマイナスネジが緩みやすく、緩むとピント調節ができなくなります。その際はマイナスドライバーで軽く締めてお使いください。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。