とても美しい青のベルベットの「結婚の書」です。実に深みのある青いベルベットに金色の装飾が施され、小ぶりですがとても豪華で落ち着いた雰囲気です。表紙、背表紙ともに金属の装丁は全て完璧に残っており、小口の金色も若干の傷はあるものの鮮やかで美しく、留め具は天使の顔がついた凝った意匠になっています。表紙にフラクトゥールのイニシャルがあり、解読に自信はないのですが ML ではないかと思います。

こちらの書籍、内容はキリスト教の観点から結婚について書かれたもののようで、装丁も美しいのですが、中身も素晴らしいのです。白黒の銅版画がたくさん入っており、キリスト教を踏まえたものですので清らかで控え目な表現ですが、実に手の込んだ豪奢な本だと思います。

19世紀前半から中頃のパリ製。サイズは約8×12センチ、厚さは約2.1センチです。
古いものですので、ベルベットの縁に擦れが、数ページに傷がありますが、年代の割には大変よい状態で、綴じはしっかりしています。
一部破損していますが、オリジナルの箱がついています。