ベリーピンクのボンボニエールはいかがでしょう。少し黒みがかった薄い赤とでも言いましょうか、明るい場所に置きますと、美しい薔薇色の影を作り出し、とてもロマンティックです。ガラスは手吹きで、手彩色です。

蓋には、壺に植物を活ける女性が描かれ、この部分は、白く浮き上がらせて陰影もつけ、立体感があります。その周囲には植物の葉や実が金色で描かれ、こちらも線を盛り上げてややヌメッとしたよい質感です。

ヨーロッパでは古くから、お祝いの折りにボンボンやドラジェなどの砂糖菓子を贈る風習がありました。そのお菓子を入れる菓子器をボンボ二エールと呼びます。時代によってはたいへん装飾性の高いものになります。この手仕事の妙をぜひお手元でご覧下さい。

19世紀から20世紀初頭のフランス製。サイズは直径が約11センチ、高さが約7.5センチです。
古いものですので全体に若干の擦れや汚れがあります。