ティンタイプ(荒野のモナリザ)
優しげで聡明そうな女性がうっすらと微笑んでいるティンタイプ写真です。地味な顔立ちですが整っていて、どこかモナリザのような謎めいた雰囲気があるような気がします。けれど開拓時代のアメリカに生きる女性らしい野性味もあって、とても美しい写真だと思います。彼女はどんな人生を送ったのでしょうか。
ティンタイプは19世紀半ばに手法が確立された写真法で、黒い金属板に化学薬品を塗って感光させ、像をはっきりと見えるようにしたものです。もちろん焼き増しは不可能で、一枚きりのものであり、当時としては肖像画のような位置づけだったようです。つまり、写っているのは、当時、肖像画を描いてもらえるような社会的地位の人であり、また、そのような人であっても写真撮影は一生に何度とはないことだったと思われます。
19世紀、アメリカ合衆国製。サイズは約5×6.5センチです。
写真の中央、胸元付近に横の切れ目があり、古いものですので、全体に若干のがたつき、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。