初見は透明感のあるブルーグレーの義眼ですが、そこから発見の旅が始まります。

まず、全体が極々淡い紫を帯び、宙に浮いた黒目から湧いている白と薄い黄色の線は顕微鏡で見る菌類、微生物、あるいは植物、何れにしても人の手によるものではなく、生き物のランダムな営みによる造形としか思えません。そして、その蠢きの背後のブルーグレー、また虹彩外縁の濃いブルーグレーがこの上もなく美しいのです。

旅はまだ続きます。白目の毛細血管は製作の途中で糸を入れて作るのですが、この義眼には赤だけでなく、黄色とブルーグレーの毛細血管が入っているのです。透明感のある白目の中に赤、黄とブルーグレーの線が折り重なっている。これは大変珍しい景色です。

ドイツ製、製作は19世紀末から20世紀初頭です。弊店のオリジナルデザイン、箱作家さんによる手作りの専用箱に入れてお届けします。箱の内寸は一辺約４センチですので、サイズの目安にしてください。