これほど黒目が小さい義眼は初めてです。まるで、はるか遠くに見える黒点でしょうか。その黒点から複雑な線が外に向けて淡い薄紫、黄色、白と折り重なりながら踊ります。

そして、このお品は裏のガラスが2重になっていないシングル義眼で、裏から光が入ります。そうして見ると、遠くの黒点の周りに朧な光の輪と細かい放射状の線が、そしてその外側に濃いブルーグレーの靄が拡がっています。それはまるで、宇宙空間で起こった現象を水墨画で描いたようです。確かに光を感じながら、それは無彩色の朧な世界なのです。

2つの全く異なる幻想の世界を持つ、シングル義眼ならではのお品です。

ドイツ製、製作は19世紀末から20世紀初頭です。弊店のオリジナルデザイン、箱作家さんによる手作りの専用箱に入れてお届けします。箱の内寸は一辺約４センチですので、サイズの目安にしてください。