銀の十字架のデスカード
銀色の十字架に花が絡み、凝った書体の銀色の文字が散りばめられています。デスカードにこのような表現は不謹慎だということは重々承知した上で申し上げますが、少々、ゴージャスな印象のカードではないでしょうか。
このカードは1812年に生まれ1899年に亡くなった方のカードです。19世紀をほぼ全て生きたと言ってよい、この方にふさわしい意匠なのかも知れません。デスカードを多数扱っており、これは私の思い込みも多分にありますが、その方の人生にほんの僅か触れたような気持ちになることがあるものです。
1899年、フランス、パリ製。サイズは約7×11センチです。
古いものですので、縁などに傷みがあります。
✴︎デスカードについて✴︎
デスカードは亡くなった方のお葬式などで配られるカードで、裏にはその人の名前や生年月日、どのような人柄であったのかの説明、それとお祈りの言葉などが書かれています。意匠も様々で、静謐で厳かで美しいものです。
時々古い聖書に挟まっていますが、これはお葬式の時に記念に配られ、それを聖書に挟んだままにしておき、時々見返して故人を偲ぶ為だと思われます。
デスカードの絵を描いた作者は高名な画家では無いかもしれませんが、どれも美しく工夫が凝らされています。時には稚拙な画力のカードもありますが、悲しみを救いに昇華する為に描かれた絵にはやはり力があると思います。ささやかながら死者の冥福を祈り、生者の慰めを助け、いずれは誰もが逝く時の心の支えになるのでしょう。死を優しく受け入れようとする素敵な文化ではないでしょうか。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。