時計鎖付きの印章はいかがでしょうか。印章面はブラッドストーンで、樹木とそこに絡まる蔓植物が刻まれています。そしてフランス語で「je meurs ou je m'attach」と記されています。これは「死が我らを分かつまで」という意味ですから、なかなか魔的な印章ですね。

「死が分かつまで」という表現は結婚の際にも用いられますが、それだけではありません。蔦植物は木に巻きついて伸びてゆきますが、やがてはその木を絞め殺してしまうこともあるのです。一体この印章はどんなシーンで使われたのでしょうね。手紙の封印としてならば、どんな内容の手紙なのでしょう。実に興味深い印章ですね。

19世紀フランス。サイズは、印章面が約1×1.5センチ、鎖はオリジナルではありませんがやはり古いもので、長さが約34センチです。