荊の冠を持つ天使のデスカード
「私はためらうことなく荊の冠を選びます。」という言葉、受難を象徴する荊の冠を手にした天使、そして足元には溢れるようなパンジーです。亡くなった人への「想い」が溢れているカードなのでしょう。
これは、1894年に54歳で亡くなった男性のもので、全体に銀色のインクが使われ、パンジーが浮き出し、天使の顔が輝き、立体感さえ感じさせるカードです。
サイズは約7×11センチです。
✴︎デスカードについて✴︎
デスカードは亡くなった方のお葬式などで配られるカードで、裏にはその人の名前や生年月日、どのような人柄であったのかの説明、それとお祈りの言葉などが書かれています。意匠も様々で、静謐で厳かで美しいものです。
時々古い聖書に挟まっていますが、これはお葬式の時に記念に配られ、それを聖書に挟んだままにしておき、時々見返して故人を偲ぶ為だと思われます。
デスカードの絵を描いた作者は高名な画家では無いかもしれませんが、どれも美しく工夫が凝らされています。時には稚拙な画力のカードもありますが、悲しみを救いに昇華する為に描かれた絵にはやはり力があると思います。ささやかながら死者の冥福を祈り、生者の慰めを助け、いずれは誰もが逝く時の心の支えになるのでしょう。死を優しく受け入れようとする素敵な文化ではないでしょうか。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。