酸っぱい葡萄の印章
狐と葡萄の意匠の印章はいかがでしょう。大きめのブロンズの印章はずっしり重くて存在感あります。多分イソップ寓話を元にしたラ・フォンテーヌの「酸っぱい葡萄」のエピソードだと思います。製作者はアルベルト・マリオネット。19世紀フランスの彫刻家です。
モノグラムはLとB。大きく重いので緻密な印章がしっかり取れます。しかし負け惜しみとも取れる「酸っぱい葡萄」のエピソードをなぜ印章に? と思いましたが、フランスではこのエピソードは一種の高貴さを表すものとして肯定的に紹介されているようです。フランスらしいエスプリなのかもしれません。
日本で言うと「武士は食わねど高楊枝」的な矜持でしょうか。本当は欲しくてもグッと我慢、「あのような酸っぱい葡萄は高貴な自分には相応しくない」と突っ張る一種の美意識なのかもしれません。このような印章を使っていたのは一体どのような人物だったのでしょうね。高潔な人? あるいは負けず嫌い?
サイズは、印章部分が直径約2.5センチ、持ち手の高さが約10センチです。
持ち手の下部に Albert Marionnet のサインが見られます。
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