博物画「クロエリハクチョウ」
クロエリハクチョウは南アメリカの南部に生息する小型の白鳥です。そもそも白鳥としては独特な姿ですが、その生息地からしてもヨーロッパでは珍奇な鳥でした。南アメリカのさらに南、ペルーやアルゼンチンの淡水湖にいると言うのですから、さてこの鳥が暮らす光景はどんなものかと、当時の人々は興味津々だったことでしょう。
アメリカ大陸と言えばピューマ、それが二羽の白鳥を静かに狙い、頭上のオウムが危険を知らせて騒ぎたてると、一羽が異変に気づく。そんな野生の生き物たちに訪れた一瞬を息を詰めて見守ったのかもしれません。
この図版は、19世紀、ドイツの著名な動物学者Alfred Edmund Brehmの著作"Tierleben"「動物の生活」の挿絵なのですが、カラー写真などない時代にドイツでは珍しい異国の鳥を生き生きとした描写で紹介しています。
鳴き声が聞こえてきそうな豊かな表情や躍動感に満ちた姿も素晴らしいのですが、特に図版全体に漂う幻想的とさえいえるその雰囲気に魅せられてしまいます。未知の世界をヨーロッパに伝えようという情熱と絵画的な表現を得意とするクロモリトグラフが結びついた、まさにこの時代が生んだ傑作と言うことができるでしょう。
1890年、ドイツで出版されました。付属のハトロン紙は他のページにインクがつくのを防ぐためのものです。
サイズは約17.3×25センチです。
古いものですのでシミや汚れ、傷があります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。












