聖テレーズのメダイとホーリーカード
1873年、フランスの信仰あつい家庭に生まれたテレーズは、16歳になると、幼い頃からの希望であった修道女になるためにリジューの修道院に入りました。信仰の喜びを得たテレーズでしたが、もともと身体が弱かったこともあり結核に侵され24歳で亡くなります。その際に「私は地上に善をなすために天で過ごします。天から薔薇の雨を降らせましょう。」と言い残しました。
誰からも愛されたテレーズのために多くの人が集まり、彼女のために祈りました。その中には病気の人もいましたが、祈ることでその病が治ったのです。その奇跡は現代に至るまで続いており、多くの人が薔薇の約束を受け取りました。そして、テレーズは異例の早さで聖人の列に加えられたのです。
今では、病人や子ども、弱い人々の守護聖人であり、ジャンヌ・ダルクに次ぐフランスの守護聖人でもあります。
ご紹介したエピソードにより聖テレーズは薔薇と十字架を胸に抱いた姿で描かれることが多いのですが、こちらのメダイも青いエナメルの中にそのような彼女の姿が幻想的な浮き彫りになっています。裏にはリジューの聖堂がありますので、そちらにお参りをした記念に求められたものと思われます。
1枚目のカードも薔薇と十字架を抱く姿のものです。19世紀末に亡くなったテレーズは写真が現存する史上初の聖人でもありますが、青い目の姿は彼女の面影を今に伝えています。
もう1枚は珍しく聖書と短い棒を手にした姿で、優しい表情も豊かに描かれています。彼女は修道院の副修練長の職にありましたので、その時の様子かもしれません。周りにあしらわれた白薔薇が彼女を象徴しています。
メダイはお守りとして身につけ、ホーリーカードはフォトフレームなどに飾ってはいかがでしょうか。
メダイは20世紀中頃までのフランス製、カードは2枚とももう少し古いもので、製作国は不明ですがドイツ語で表記されています。
メダイのサイズは約1.4×2.2センチ、チェーンは現行品で長さが約49センチです。カードは約5.1×9.3センチと約5.1×11センチです。
古いものですのでメダイ、カードともに傷、汚れがあります。
















