木製アンティークプレパラート「蛾の吻、タンポポの花粉など」2枚セット
非常に珍しい木製のケースを使った顕微鏡プレパラートです。本来、光学顕微鏡で見るための標本はごく薄い切片をスライドガラスにのせたものですが、厚みのあるものの場合は押しつぶしたり封入剤を使って固定するなどのため、手間がかかる上に試料を損なうなどの問題が起こります。しかし、この方式では立体の形状を損なうことなく標本を作ることもできます。画期的な考案だと思うのですがなぜ普及しなかったのでしょう。とても希少なお品です。
標本に目をやると、蛾の蜜などを吸うために長く伸びる口器である「吻」が丸まった状態そのままの形状で保存されており見事です。もう一枚はタンポポとノゲシの花粉です。前者のプレパラートの一番上はセロファンで封がしてありますが、これは種子か何かを後で取り出せるように作者が一時的に保存して、そのままになってしまったのかもしれません。そのようなやりかけの作業の様子やラベルの手書きの文字からはかつての製作者の気配が漂います。
ケースの木も硬質なよいものを使用しているようで、それが長い年月を経て身にまとう迫力は、忘れ去られた薄暗い研究室に漂う空気や曇ったガラス越しにぼんやりと差し込む光まで生々しく感じられるほどです。
表示された価格は2枚セットのものですのでご注意ください。
1910年代までのイギリスで製作されたものと推定されます。
サイズは1点が約7.5×1.8センチ、厚さが約0.4センチです。
古いものですので傷、汚れがあり、セロファンや試料が劣化している恐れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。