手彩色博物画「チョウザメ、メカジキなど」
繊細な銅版画に手彩色を施した魚類の図版です。銅版は実に細やかな線で、目に宿る光、魚体の立体感まで表現しています。そこに深く落ち着いた彩色が加えられ、生命の持つ珍しい色彩の数々が、現代のカラー写真のリアルな鮮やかさとは違う、より心に訴えかける風情で迫ってきます。
普段、浜辺や海の中にいる魚たちをこうして標本のように並べるのは、むしろ新鮮な景色で、これこそまさに博物図版ならではの楽しみです。本来、博物学とは自然界のものを整理、分類するという学問ですが、「天地間の隅々まであらゆるものを蒐集し、森羅万象のカタログを作る」という情熱こそ博物趣味と言えましょう。
この図版は1850年、ヴィクトリア朝が始まってまだ15年も経たない頃のイギリスで刊行された、オリヴァー・ゴールドスミス著"A History of the Earth and Animated Nature"「地学と生物学誌」の挿絵の一枚です。弊店で扱うクロモリトグラフより半世紀ほど古い手彩色図版をどうぞお手元でゆっくりとご覧になってください。
サイズは約24.7×15.6センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。