シルバーの流星の先端に一粒のオパールが置かれています。カボションカットのオパールはブルーとオレンジの光を浮かべます。その周りと流れる尾に散りばめられたマーカサイトは、黒い金属質の粒が銀の鋭い光を放ちます。時の流れとともに少し黒みを帯びた古いシルバーとクールなマーカサイトは本当に素敵な組み合わせです。
実際の彗星はこのような神秘的な姿ではないでしょうが、想像の世界では彗星はこのような美しさをまとって現れるのです。このブローチは1920年代に製作されたものですが、1910年にはあの有名なハレー彗星接近の騒ぎがありました。ですから、その興奮も冷めやらぬアール・デコの時代に、まだ人々の記憶の中に生きている彗星がこのブローチとして姿を現したというわけです。

素材の刻印はありませんが売主によるテストの結果では純度90%のシルバー900とのことです。そのため、フランスなどヨーロッパ大陸で製作されたものと推定されます。
使用されているオパールは買い付け時の情報により、その後、正式な鑑定はしておりません。
サイズは最大約7センチです。
古いものですので傷、汚れがありますが、時代の割にはよい状態です。