楕円形のモルフォ蝶のブレスレットです。収められた天然の蝶の羽は光の具合で様々な表情を見せますが、こちらのお品はとても光沢のある青が光の角度で群青に、さらに薄紫がちらりと顔をのぞかせてすぐに赤紫から黒に近い紺へと移り変わっていきます。これは自然光の下でよりはっきりと出てきますので、ぜひ直射日光でもご覧になってください。この小さいガラスの中でドラマティックに移り変わる色彩と光の競演が、このお品の一番の魅力です。羽に走る脈もはっきりしていますので、紺色の影を背景に紫に染まる脈が模様を描き出す場面も出現します。まるで未知の星の山脈を高空から観測しているような景色は、心を揺さぶられる美しさです。
ケースは銀の純度が92.5%のスターリングシルバーで、シンプルな意匠と古色による黒みを帯びた質感が、様々に変化する羽の表情をより魅力的にしています。

少なくとも1920年までのイギリス製と推定しておりますが、買い付け時の情報では19世紀、ヴィクトリア朝のものとのことです。もともとモルフォ蝶の装飾品でブレスレットは珍しいのですが、もしそうであればさらに大変珍しいお品です。
サイズはケースが約2×2.5センチ、ベルト部分を含めた長さが最大約16.5センチで、こちらは縮めることができます。
古いものですので傷みや汚れがあります。