こちらはジャン・ゴーデが1860年にパリで発表したタロットカードを忠実に複製したものです。
1700年代、フランスでタロットにオカルティズムを加えることによってこのカードを占いに用いることが一般的になってきました。1800年代にはタロットとユダヤ神秘主義「カバラ」を結びつけるなど様々な解釈がなされ、新しい構成、デザインのタロットが創作されましたが、こちらもその流れの中で生まれたものと言えましょう。
絵柄はクラシックで伝統を踏襲したものですが、大アルカナが全てリバーシブルになっており、18世紀後半に生まれた「逆位置」という解読法が当てはまらないようになっています。また、アルカナ2と5の教皇、法皇がユノとユピテルに変わっています。この辺りにもゴーデの独特な解釈が反映されていたのでしょう。そのようなことに想いを巡らせながらカードをめくっていると、興味はつきませんね。
こちらは20世紀の後半にスペインで複製されたものですが、原版にステンシル技法を用いるなど、オリジナルの雰囲気を大切にして製作されました。1860年発表のオリジナルは、現在、スペイン、ヴィトリアのフルニエカードゲーム博物館に所蔵されています。

全カードの揃ったフルデッキでお届けします。カード一枚のサイズは約6×10センチです。
カードは時代の割によい状態ですが、箱には各所に傷みがあります。