喪の4点セット
これまで喪に関わるモーニングジュエリーやデスカードをご紹介してきましたが、それが集まることでまた新しい世界が生まれるのではと思い、ここに4点をセットにいたしました。
まず、漆黒のガラスのブレスレットです。本来、モーニングジュエリーは木が化石化したジェットを使用しますが、産出量が少なく様々な代替品が用いられました。このガラスもそのひとつでフレンチジェットとも呼ばれています。ガラス特有の硬質な艶がとてもクール&シックで、ジェットとはまた違う魅力を持った素材です。
次に、礼拝堂をモチーフにしたアクセサリーパーツです。こちらはボグオークという炭化したオークを素材としたもので、左右にふたつずつ穴が開いておりますので、縫い付けたり繋いだりして使うモーニングジュエリーのパーツです。木質のしっとりとした黒が静謐な礼拝堂の意匠とよく合っています。
三つ目はお葬式で配られるデスカードです。こちらは1888年12月26日に20歳と15日で亡くなった方のものです。銀色で表現された天へと誘う天使の姿から残された人々の想いが伝わってきます。ホーリーカードとは違う静かで深い祈りの気持ちが漂うカードです。
最後に、黒い小さいカードは直接、喪に関するものではありませんが、珍しい漆黒に金のデザインがこのセットに相応しいので選んでみました。こちらは19世紀中頃、聖母マリア出現の奇跡の地となったフランス、ルルドのもので、現地の少女ベルナデッタの前にマリア様が現れた情景が描かれています。その下に記された「私は無原罪の御宿りです。」という聖母の言葉は、キリスト教会が奇跡と認める決め手となったものです。
さて、このセットを手にした時、そこからどんな世界が広がることでしょう。
全て19世紀から20世紀の初めの頃までのものです。ブレスレットとアクセサリーパーツはイギリス製、カード2枚はフランス製です。
サイズは、ブレスレットが長さ約18.5センチ、アクセサリーパーツが直径約3センチ、デスカードが約7×11センチ、ルルドのカードが約4×6センチです。
どれも古いものですので傷、汚れがあります。