19世紀の後半、大舞踏会の演出を得意とするバレーの振付師がいました。ミラノに生まれ、イタリアで活躍した彼の名はルイ・マンゾッティと言います。このカードセットは彼のグランドバレーの舞台を紹介した6枚です。中には「モントリオールの氷上仮面舞踏会」「ロンシャン競馬場優勝者を迎えるダンス」「フォンテーヌブローの狩猟祭」などなど、世界の特にスポーツを題材とした豪華絢爛たる舞台が描かれています。映画もテレビもない時代、劇場の観客たちは驚き、興奮や憧れで大変だったでしょうが、このカードを見た人々も十分その気分を味わったことでしょう。
こちらは、リービッヒ社の肉エキスのおまけのカードなのですが、当時、技術のピークを迎えていたクロモリトグラフによる印刷も素晴らしく、コレクターに珍重される人気となりました。このセットも金や銀のインクがしっかりとのった豪華な仕上がりになっています。
リービッヒ冷却管に名を残す19世紀ドイツの高名な化学者リービッヒが、ある時、栄養補助食品として肉エキスを考案しました。ところが、直後の研究でほとんど栄養価が無いことが判明します。それにも関わらず、そのエキスは美味だったため、よく売れました。今で言うスープの素のような使われ方をしたのでしょう。そこでリービッヒはロンドンに会社を作り、ヨーロッパ各国に向けて肉エキスの販売を始めました。現在では、加工食品の歴史の始まりと言われており、科学史や博物趣味にも些かの関わりをもつカードなのです。

こちらはドイツ語版で、1898年に製作されました。サイズは、1枚が約11.2×7センチで、6枚のコンプリートセットでお届けします。この大きさでしたらフォトフレームなどに飾り、時々、気分で入れ替えたりしても楽しいですね。
古いものですのでしわや傷み、汚れがあります。