古い製図器具「ディバイダー」
知的で冷静な佇まいのうちに秘めた冷ややかな情熱。古い製図器具を見ていると、ふとそのようなことを想います。不要なものを全て削ぎ落として機能性を極めたその姿から、静謐な理性と凍る炎のような冷徹さとを同時に感じるからでしょうか。
これはディバイダーと呼ばれる器具で、円周を等分するなど、製図などでものを分割する際に使われます。構造はコンパスと似ていますが、両端は鋭い鋼鉄で作られています。
フリーメイソンの紋章とされる「コンパスと直角定規」も、実際はディバイダーがデザインされて使用されています。フリーメイソンではこの器具から自制心や克己心、精神の均衡などの意味が見い出されることとなり、イギリスではグランドマスターの象徴にも使われるなど、大変重要なアイテムとなっています。
このような器具は、もはやただの道具の立場を離れて我々に多くを語るようです。古い器具にしては珍しくオリジナルのケースがきちんと残っていますので、それに入れてお届けします。紫の内張にも、どこか大切なものだった気配が残っています。
20世紀の初めから前半までのイギリス製と推定されます。サイズは、閉じた状態で長さが約16.5センチです。
古いものですので本体、ケースともに傷、汚れがあります。専門的な鑑定は受けておりませんので、器具としての実用性はお約束できません。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。