いつか見た夢のような、鮮明に覚えているようでいて細部がどこかぼやけている、知らないはずなのに前に何処かで会ったような、「なぁんだったかなぁ。いつだったかなぁ。」と言葉が頭の中でぐるぐる巡りを始めるような、昔々の遠い国の少年たちの光景です。彼ら小さな天文学者たちは観測も怠らずと言いたいところですが、夜も更けたことですし、居眠りをするのもやむなしといったところです。何しろ19世紀はいくつもの彗星が飛来したのですから、この時代、大人ならずとも夜空に好奇心一杯の目を向けたことでしょう。　
これはクロモリトグラフで印刷されたトレードカードと申しまして、1880年代から1900年頃によく用いられたテレビなどない時代の宣伝カードなのです。現在とは印刷法が違い、その味わいは今では得がたいものとなっています。
このカードは"AMIDON REMY"というベルギー、ルーヴァンの洗濯糊などのお店のもので、裏に1887年のカレンダーがついています。

1886~7年のフランスあるいはベルギー製で、サイズは約11.9×7.6センチです。この大きさですとフォトフレームで飾っても可愛いですね。
古いものですので傷みや剥がれ、汚れがあります。