博物画「色彩豊かな魚」
インクがのった見事な多色刷りリトグラフで、ミノカサゴやホウボウなどの色彩豊かな魚たちが紹介されています。1895年、クロモリトグラフの全盛期に製作された図版ですが、カラー写真とも手彩色とも違う手法で鱗の感じや色彩から生きた目に宿る光まで見事に表現しています。普段、浜辺や海の中にいる魚たちをこうして標本のように並べるのは、むしろ新鮮な景色で、これこそまさに博物図版ならではの楽しみです。
本来、博物学とは自然界のものを整理、分類するという学問ですが、「天地間の隅々まであらゆるものを蒐集し、森羅万象のカタログを作る」という情熱こそ博物趣味と言えましょう。こちらはドイツの著名な百科事典、ブロックハウス百科事典の挿絵ですが、当時の一般の人々の知識欲、好奇心の発露が感じられます。
モノトーンの版画に始まる博物画は、当時、ついにクロモリトグラフによる多色刷りへとたどり着きました。1930年代には姿を消しますが、優雅な絵画的な表現が魅力の多色刷り技法でした。
こちらは、1895年にドイツの著名な博物書籍出版社Bibliographisches Institut in Leipzigにて製作、出版されました。
サイズは約24.9×16.1センチです。
古いものですので傷や汚れがあります。
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