博物画「鰹の烏帽子」
宙に浮かぶ不思議な姿は地球の生物ではないような、あるいは生き物ですらないような、そんな気持ちにさせる神秘的な図版ですが、実はクラゲの一種、鰹の烏帽子を描いた博物書籍の挿絵なのです。複雑な深い黒みと青みを帯びた緑色の海、はるか向こうには霞む陸地が、海面にはヨットがぼんやりと浮かび上がっています。構図、色彩ともに博物図版と言うにはあまりにも幻想的な世界は、A.Brehmの手になる見事な多色刷りリトグラフです。
もとは1887年にドイツで出版された書籍の挿絵ですが、カラー写真などない時代に海洋生物の表現を模索し続け、色彩リトグラフの全盛期とともに結実した素晴らしい作品です。
サイズは約17.3×25.2センチです。付属のハトロン紙は図版のインクが書籍の他のページに滲まないように保護するためのものです。
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