全身に降るダークな陰影が素敵な銀製のスティックです。中ほどからふたつに別れるようになっており、ケースになっていますが、これは元々はニードルホルダー、つまり裁縫用の針を入れておくためのものだったのです。植物を思わせる有機的な曲線が日用品としてはあまりにも非日常的で、どこか呪術的な趣もあり、一体、かつての持ち主はどのような人だったのかと想像を巡らせてしまいます。優雅な佇まいに少し謎めいた翳りのある方だったのでしょうか。
もちろん、様々なケースとして使用が可能です。メカニカルペンシルの芯を入れてもぴったりと合いそうですね。
シックな古いものを身近でさりげなく使って、その溢れる雰囲気をどうぞお楽しみください。

製作年の詳細は不明ですが19世紀から20世紀初めまで、アール・ヌーヴォーの時代のフランス製と思われます。
サイズは長さが約6.8センチで、開口部は約0.4×0.8センチの楕円形です。
古いものですのでへこみや歪み、傷、汚れがあります。