ルルドはフランス国内のマリア巡礼路の中でもとても大切な地です。19世紀中頃、地元の少女ベルナデッタの前にひとりの貴婦人が現れます。白いベールをまとい青い帯を締めたその女性は、数度にわたりその少女の前にだけ出現し、決まって当地の洞窟の前に立ちました。その話を聞いたキリスト教会は厳格な調査の末、これを聖母マリア出現の奇跡と認めました。さらに、そこにあった泥の水たまりは清らかな水が渾々と湧き出す泉となり、その水は万病を癒したのです。その後まもなく聖母マリアに捧げる聖堂が建立され、今に至るまで多くの人々が巡礼し、祈りを捧げています。
メダイには洞窟の前に立つマリア様とひざまずくベルナデッタが浮き彫りになり、足元には「ルルドの聖母マリア大聖堂」を表す"N D L"のモノグラムが置かれています。長い時とともに降った古色がこの景色に神秘的な光と陰を与え、素晴らしい立体感と神々しい雰囲気に満ちたメダイになりました。
合わせたホーリーカードはこのメダイの光景を彩色して描いたような絵柄になっています。白いベールに青い帯は当時、ベルナデッタが語った通りの姿で、足元にはすでに清らかな小川が流れています。周囲に飾られた薔薇はマリア様の花で、上にはその後、建立された聖母マリアの大聖堂も描かれています。
カードの裏にはご加護を願う祈りが記され、メダイとともにこれを持つ方のお守りとなることでしょう。

メダイ、カードともほぼ同時代のもので、19世紀の終わりから20世紀の初めの頃のフランス製です。サイズはメダイが約1.9×2.7センチ、チェーンは現行品で長さが約44センチです。ホーリーカードは約5.2×9.9センチです。
どちらも古いものですので傷や折れ、汚れがあります。