青いベルベットの聖水盤
19世紀、フランスの聖水盤です。比較的大型ですので、教会や修道院で使われたものと思われますが、ただ大きさだけでなく特筆すべきはその圧倒的な雰囲気です。時代が降り積もったその姿からは打ち捨てられた聖堂に漂う空気が湧き出し、やがてはその光景まで脳裏に浮かんでくるようです。
ところどころ擦り切れてはいますが未だ深みをまとうベルベットの青はマリア様を象徴しているのでしょうか。十字架は植物をモチーフにした細やかな透し彫り、聖水盤は植物の浮き彫りで、表情豊かに造形されたイエス様の像はその全身に憂いをたたえながら静かに目を閉じていらっしゃいます。長い時が流れ、そこに降りた様々な古色の全てが意図せずひとつの作品を創りました。これこそが神の御技でしょうか。この古い聖水盤は現代に生きるあなたに何を語るのでしょう。
19世紀半ばから後半のフランス製です。サイズは約15.5×30センチで、裏に壁にかけるための環があります。
古いものですので擦り切れや傷、歪み、錆びや汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。